【簡単な経歴3】基礎から学べる3D CAD講座⑥
代表の工藤です。
今回は、大手ハーネス部品へ入社するまでの話をしていきたいと思います。
大手ハーネス部品メーカーというと、日本国内では大手3社でシェア90%と
なっており、そのどれかのメーカーとなります。
そこでは、ハイブリッド車や電気自動車に使用される高電圧・大電流
コネクタの設計職として約10年勤務していました。
自動車の開発は、早いもので2,3年で量産になるものや、5,6年かかる
ものもありますが、私は量産立ち上げ部隊に所属していましたので、
だいたい2,3年のサイクルで取り組んでいくというイメージとなります。
また、担当する部品も一つだけというわけではなく、2,3個の部品を担当
していました。それらの部品が同じ車両に搭載される部品だと、基本的に
開発スケジュールは同じになるので、一気に出図して金型作ってという流れ
になり、瞬間的に忙しくなります。
CADを使用するのは、入社してすぐのころから、だいたい5,6年くらいまで
で、それ以降はリーダー職の割合が多くなってきたので、CADを使用して
データ確認をするとかの仕事はありましたが、CADでモデリングをするとか
という仕事の比重は低下していきました。
CADというのは設計するためのツールでしかなく、要求仕様通りにCADで
モデリングしても、その後の設計検証(※後述)やDRや客先との打合せで
変更になることは多々あります。
設計検証というのは、FMEAなどと言われているものです。
上記を読んでもらうとややこしいとか思うかもしれませんが、FMEAというのは
部品ごとの機能に着目して、この部品だとどういう故障の可能性があるので、
故障しないようにどういう検証をしたとかというのを順番に検証してくものです。
ただ、基本的にコネクタ部品というのは似たような機能が80%~90%(場合に
よっては100%)になるので、ある程度コピペや強度計算の数字の入れ替え等で
対応できることが多かったように思います。
イメージして頂きやすいように、具体的例を挙げていきます。
コネクタの機能として、例えば絶縁(電気を流さない)というのがあったと
すると、要求仕様として例えば1000V の電圧が印加されるというのが分かって
いるので、それに対して絶縁破壊しない絶縁距離は、空間距離を1㎜、沿面
距離を2㎜確保のところ、実際の設計では最小でも空間距離2㎜、沿面距離3㎜を
確保しましたというのを具体的に図を使いながら検証していきます。
※絶縁破壊しない絶縁距離は、JIS C 60664 の低圧系統内機器の絶縁協調等に
記載されています。JISは日本産業規格の略ですが、元々はIECというEUで
作られた規格の日本語訳版となります。
ちょっと長くなってしまいましたので、今日はこのあたりにしておきます。
何かリクエストや質問等がありましたら、コメント欄にお願いします。
次回は、大手ハーネス部品メーカーの後に入社した、会社について紹介したい
と思います。